Cosmic Scale
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2つのブラックホールの合体

2つのブラックホールがらせんを描いて近づき、空間そのものを揺らし、13億年後に地球で聞かれるまで

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ステップごとに

ブラックホールのペア

どちらも大質量星の残骸です。大きい方の事象の地平面は直径約210 km、小さい方は約170 kmで、都市ほどの大きさしかありません。それでも、それぞれの周りでは背後の星の光が弧や輪に曲げられます。こうした2つのブラックホールがどうやって互いを回るようになったのかは、まだ議論が続いています。巨星のペアとして生まれたのかもしれませんし、星が密集した星団で出会ったのかもしれません。

外から押しているものは何もありません。軌道は空間そのものに起こすさざ波にエネルギーを奪われ、はじめはゆっくり、やがてどんどん速く縮んでいきます。この距離では、残りは約50分です。

空間のさざ波

回りながら、2つは空間そのものを揺らします。重力波が光の速さで広がり、空間をある向きに引き伸ばし、別の向きに縮めます。1周で2回です。

アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論は1916年にこの波を予言しました。運動を変える質量はどれも重力波を出しますが、意味のある強さの波を生むのは、とても速く動く巨大な質量だけです。ここでは軌道面上に描いていて、空間が引き伸ばされる所は金色、縮められる所は青です。どの部分も、その波が出発したときにペアが何をしていたかを示しています。

重力波はエネルギーを運び去り、そのエネルギーは軌道から取られます。それでも100万km離れた所でさえ、空間を引き伸ばすのは約100万分の1にすぎません。1秒に1回ほど上下するこのゆっくりした波は、地球のどの検出器にも遅すぎて感じ取れません。

どんどん速く

早回し:軌道は縮むほど速くなり、重力波は強くなります。最後の50分で、2つは10,000 km離れた所から約900 kmまで近づき、1秒に17回転します。

近づくほど速く動き、出す重力波も強くなるので、軌道はさらに速くエネルギーを失います。らせんはひとりでに加速します。この50分のほとんどは広くゆっくりした周回に費やされ、最後の1,000 kmは3分の1秒もかかりません。

重力波の高さ(周波数)は、軌道の1秒あたりの回転数の2倍です。それが1秒に約30回を超えてLIGOの検出器が感じ取れる速さになるころ、2つは互いに対して光速の3分の1で動いています。

最後の5分の1秒

約70倍のスローモーション:最後の5分の1秒で、2つはさらに5周し、光速の半分を超える速さで約320 kmまで近づきます。

LIGOが聞いたのはこの部分です。5分の1秒に約10回の振動で、高さは1秒に約35回から150回へと上がり、強さもずっと増していきます。音に変えると鳥のさえずりのように上がっていくので、科学者はこれを「チャープ」と呼びます。

これほど近いと、2つは空間を強く曲げ、らせんの単純な式は成り立たなくなります。最後まで追えるのは、アインシュタインの方程式を解くスーパーコンピューターだけです。科学者たちは、LIGOの測定をそうしたシミュレーション何千個と比べて、質量が太陽36個分と29個分だと突き止めました。

2つが1つに

事象の地平面が触れ合い、合体します。太陽3個分の質量がすでに重力波に変わりました。その大部分は最後の5分の1秒のことです。ピークでは、観測可能な宇宙のすべての星を合わせたより大きな出力を運びます。

ピークで重力波が運び去る出力は約3.6 × 10⁴⁹ワット。観測可能な宇宙のすべての星の光を合わせた約50倍ですが、続くのは1000分の数秒だけです。結局、太陽36個分と29個分は62個分のブラックホールになりました。足りない3個分は重力波として去ったのです。

合体そのものは、ここでは簡単に描いています。実際に何が起こるかはスーパーコンピューターのシミュレーションが示します。2つの地平面は、いびつな1つの地平面につながり、すぐに形が整います。その間、逃げ出すのは重力波だけです。何もない空間で合体する2つのブラックホールは、光をまったく出しません。

1つのブラックホール

残るのは太陽62個分のブラックホール1つで、その地平面は1秒に約100回転しています。たたかれた鐘のように1秒に約250回の振動で鳴り、ほとんどすぐに静まりました。

この響きは、新しい地平面が形を整えていく様子です。音の高さと消える速さはブラックホールの質量と回転だけで決まり、まさに一般相対性理論の予言どおりで、LIGOが聞いたものもそれに一致します。

スティーヴン・ホーキングは1971年、ブラックホールの地平面の面積の合計は決して減らないことを示しました。ここでは、2つの地平面の面積は合わせて約230,000 km²でしたが、新しい地平面は約370,000 km²で、太陽3個分の質量が失われたにもかかわらず増えています。2025年には、よりはっきり聞こえた合体GW250114が、これをかつてないほど明確に確かめました。

宇宙へ

重力波は光の速さで遠ざかり、広がるにつれて弱まります。1秒ちょっとで地球と月の距離を、8分で地球と太陽の距離を進みます。

強さは距離に比例して弱まります。10倍遠くなれば10分の1です。光とは違い、星もガスもちりも何もないかのように通り抜けるので、出発したときのまま、ただ弱くなって届きます。

重力波は13億年旅をしました。出発したころ、地球の生命はまだほとんどが単細胞でした。途中で宇宙が膨張して重力波も引き伸ばし、出発時より9%長く、低い音になって届きました。科学者は質量を求めるときにこれを考慮します。

LIGOが聞く

2015年9月14日9時50分45秒(UTC)、重力波が南の空の方角から地球を通り抜けました。ルイジアナ州リビングストンのLIGO検出器が先に感じ取り、3,000 km離れたワシントン州ハンフォードの検出器が1000分の7秒後に感じ取りました。

LIGOの検出器はどれも、長さ4 kmの2本の腕でできたL字形で、腕の中をレーザー光が往復しています。通り過ぎる重力波は一方の腕を伸ばし、もう一方を縮めます。ピークでは腕の長さが陽子の幅の約1000分の1だけ変わり、LIGOはそれを測りました。

重力波は光の速さで進むので、検出器の間の7ミリ秒から、発生源は南の空の輪の上にあると分かりました。2台の検出器ではそれ以上は分かりません。アメリカは夜で、ルイジアナは午前4時50分でした。ここでは時間が約60倍ゆっくり進みます。

その後の数百例

重力波がとらえられたのはこれが初めてで、アインシュタインの予言から1世紀後のことでした。2025年までに、検出器は約300例のブラックホール合体を聞いています。数日に1回の割合です。

この発見で、ライナー・ワイス、バリー・バリッシュ、キップ・ソーンが2017年のノーベル物理学賞を受けました。LIGOは今、イタリアのVirgo、日本のKAGRAとともに観測しています。3台以上の検出器があれば、発生源の空の位置をずっと正確に決められます。

これまでに聞かれた最も重いペアGW231123は、太陽約225個分のブラックホールになりました。2017年には2つの中性子星の衝突が聞かれ、続いて望遠鏡が爆発の光をとらえました。金のような重い元素はそこでつくられます。

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